夢中になれるもの

(2024/03/13)

夢中になれるもの

 医療に携わる者として毎日の仕事は人の病気・命を預かる仕事であり、真摯に対応しなければなりません。
そうするとどうしても精神的・肉体的ストレスは溜まります。そこで、休日等は時を忘れて何か夢中になれるものがあれば、
明日からの仕事のエネルギーが充填出来るというものです。
 私の場合、その一つは「散歩しながら植物を楽しむこと」になりましょうか。高知県が生んだ偉大な植物分類学者 牧野 富太郎の
出生地である佐川町に「牧野公園」があります。2月下旬のまだ肌寒い日に行ってみると、早咲きの河津桜、バイカオウレン
(牧野博士が発見)、フクジュソウ、セツブンソウ、ユキワリイチゲなどがまだ寒々しい風景の中、凛々しく咲いていました。
この公園でしか見られないような植物も多く、家族と「あれかな?これかな?」と言いながら観察していると楽しいものです。
美味しい空気を吸いながら、ゆっくり斜面を登りながらの散歩ですので、気分も爽快、つい時間を忘れてしまいます。
 牧野博士は「植物は私の恋人」と言い、植物採集行は恋人に会いに行くということなのだからいつも作業着ではなく
スーツを着て行った、というほど植物超大好き人間でした。多額の借金をしたり、家族に迷惑をかけたりしながらも
「植物分類学」という自分のやりたいことに一直線に邁進し、失敗にもめげず結果を出し、その仕事への熱意・学識・人柄により
家族にも支えられた稀有な人でした。
 「私も牧野博士のように自分の好きなことに自由に打ち込める生き方が出来たらな」と思うことがありますが、時代も違い
とても真似は出来ません。博士の発見した植物を、博士の新種発見時の喜びも感じつつ、楽しみ愛でています。
(我が家の庭にも「バイカオウレン」を植えていますが、3月9日現在、まだ花は咲いていません。)
 
                                         松山ベテル病院 医局長 佐々木 徹
 
バイカオウレン

バイカオウレン