私と田舎

(2025/10/16)

私と田舎

 私の故郷は、高知県の四万十川の支流に沿って10kmほど遡った山の奥の行き止まりの様なところです。四万十川には4万10本の支流があると名付けられたそうです。実家ではお米を作っており、今は毎月5日ほど農作業に帰省しています。私の田舎は平家の落ち武者が逃げ延びて開墾したと言われています。弓の名手と鍛冶職人の2人が矢の先に鎌を括り付け、山の中腹辺りから矢を放ち、落ちたところから開墾し始めたとの伝説があるところです。

 そんな山奥で育ちました。育った環境は性格や考え方にも影響を及ぼします。私は何か難しい問題が起こると、そこで思考が止まり堂々巡りとなります。しかし、誰かに・何か・少し悩みや希望を語ることで、その場所から一気に抜けだせることを何度か経験しました。何度も田舎に帰っていると「こんな山奥の行き止まりが特別なところで、どんな田舎といえども、普通は幾つもの道が繋がっているのもなんだろうな」と思うようになりました。 

4階病棟東フロア 稲田光男

四万十川

この辺りから矢を放ち開墾し始めた。